特定支出控除
こんにちは。千葉市の税理士、水谷です。
国税庁の調査によると給与所得者の特定支出控除制度の平成25年度の利用者が、前年度の約260倍に増えたそうです。
とはいっても、前年度の利用者が6人であり、平成25年度が1600人なので、まだまだ利用者は少ない制度だと思います。
給与所得者者の特定支出控除とは、給与所得者(サラリーマン)が特定支出をした場合に、その特定支出の合計額が給与所得控除額の1/2(給与の年収が1500万円超の人は125万円)を超えるときは、その超える金額を所得金額から控除することができる制度です。
サラリーマンの方の給与所得金額は、給与の収入金額(いわゆる額面金額)から給与所得控除額を差し引いた金額となりますが、この特定支出控除制度を利用すると、「特定支出の合計額-給与所得控除額の1/2(年収1500万年超の場合は125万円)」をさらに差し引くことができるということになります。
特定支出とは簡潔に言うと、職務に直接必要な支出で、①通勤費 ②転居費 ③研修費 ④資格取得費 ⑤単身赴任の場合の帰宅旅費 ⑥図書費、衣服費、交際費等 の支出のことを言います。
⑥の支出については65万円が限度となります。
また、この特定支出は給与支払者から職務の遂行に直接必要なものであることの証明を受ける必要があります。
給与所得控除とは給与の収入金額に応じて定められており、収入金額が年400万円の場合は134万円となります。
給与の収入金額が年400万円で特定支出の合計額が70万円の場合は、
400万円-134万円-(70万円-134万円×1/2)=263万円
が給与所得金額となります。
この制度の適用を受けるにはやはり確定申告が必要です。
また給与支払者からの証明書と特定支出の明細書、領収書も提出する必要があります。
まだまだ制度の適用を受けるためには手続きに手間がかかりサラリーマンの方は敬遠される方が多いのではないかと思います。
より一層の制度の普及のためには手続きの簡便化が必要だと思います。
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