欠損金繰越控除
こんにちは。千葉市の税理士、水谷です。
先週のブログに法人実効税率の引き下げについて書いたのですが、その財源確保のため欠損金の繰越控除制度の縮小も検討されています。
外形標準課税の増税と同様に、この欠損金の繰越控除制度の縮小も赤字企業の税負担を増加させることとなります。
欠損金の繰越控除制度とは、法人の決算において赤字が生じた場合にその赤字額を9年間繰り越すことができる制度です。
簡単にいうと前年度に赤字が生じた場合には、その赤字を今年度の黒字から控除することにより税負担を減少させることができるという制度です。
資本金1億円超の企業については、控除限度額があり、黒字額の8割が限度となります。
政府はこの控除限度額について黒字額の8割から6割に下げようと考えているようです。
例えば、前年度が100万円の赤字であり、今年度は100万円の黒字である場合、現行制度では80万円を黒字から控除して20万円に対して課税されるのですが、改正されると、60万円の控除しかできず、40万円に対して課税されることとなります。
この制度は資本金1億円以下の中小企業については控除限度額がなく黒字額の全額を控除することができます。
つまり上記の例の場合は、中小企業であれば、黒字の100万円から赤字の100万円を控除することができ、所得は0円となります。
資本金1億円超の企業に対するこの制度の取り扱いについて検討するようなので、資本金1億円以下の中小企業の経営者の方にはひとまずは関係ないと思われます。
しかし、政府の目標である実効税率の6%引き下げには、外形標準課税、欠損金の繰越控除制度の改正程度ではまだまだ財源が足りないようなので、今後は中小企業の方にも厳しい改正が検討され始めるかもしれません。
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