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固定資産税の納税義務と登記

こんにちは。千葉市の税理士、水谷です。

先月25日に固定資産税の納税義務に関する最高裁判決が出ました。

裁判の事実関係の概要を説明させていただくと、

① 平成21年12月7日に埼玉県坂戸市の女性が坂戸市内において家屋を新築。

② 平成22年1月1日時点においては当該家屋は登記されておらず、また家屋補充台帳にも登録されていない。

③ 平成22年10月8日、当該家屋について「平成21年12月7日新築」として表題登記される。

④ 平成22年12月1日に坂戸市長は平成22年度の家屋課税台帳に当該家屋を登録する。

⑤ 平成22年12月1日に坂戸市長が当該建物に係る平成22年度の固定資産税の課税を決定。

⑥ 坂戸市の女性は固定資産税の課税を不当として課税処分の取り消し訴訟を提起。

という感じになります。

固定資産税の納税義務者については地方税法第343条において「固定資産税は、固定資産の所有者に課する」と定められており、また、所有者については、「登記簿に所有者として登記されている者」又は「土地補充課税台帳又は家屋補充課税台帳に所有者として登録されている者」とされております。

つまり平成22年度の固定資産税の納税義務者は原則としては平成22年1月1日時点において所有者として登記されている者又は家屋補充課税台帳に所有者として登録されている者となります。

この法律を根拠として、坂戸市の女性は、平成22年1月1日には未登記であり、台帳に登録もされていないので固定資産税の納税義務はないと主張したようです。

最高裁は「所有者が課税日(平成22年1月1日)時点で登記、登録をしていなくても課税処分が決まるまでに課税日時点の所有者として登記、登録されていれば納税義務を負う」として坂戸市の女性の訴えを退けて、課税を適法との判断を示しました。

つまり実際は平成21年12月7日に新築して登記できる状態であれば、登記の手続きが遅れて平成22年1月1日において登記していなくても、固定資産税は平成22年度分をきっちり課税しますということであり、スムーズに登記した方との不公平が生じないため、妥当な判決であるように思われます。

課税実務上は従来より同様の取り扱いのため、司法がこの取り扱いを追認した形となりました。

年末に新築工事の完了が予定されている方は新築工事の完了日を業者に相談して調整することにより1年分固定資産税の課税を先延ばしにすることも可能ですが、登記を遅らせても固定資産税を先延ばしにはできませんのでご注意ください。


投稿日 : 2014.10.03 金曜日

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